2002年韓国
監督:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ、キム・ジング
リュ・スンワン、アン・ネサン、ソン・ビョンホ


『ペパーミント・キャンディー』で国際的な注目を集めたイ・チャンドンの待望の監督第3作。
刑務所を出所したばかりの前科3犯の男ジョンドゥ(ソル・ギョング)と四肢麻痺の障害を
持つ女性コンジュ(ムン・ソリ)を主人公に、社会から疎外された二人の純粋な愛を描いている。

本年度ヴェネチア映画祭で監督賞、新人俳優賞(ムン・ソリ)などを受賞した。
本作品の為に、ソル・ギョングは痩せたジョンドゥを演じることから体重を18kg近く減量、
ムン・ソリも演技のため半年間障害者と苦楽を共にし演技に挑んだとのこと。







ペパーミント・キャンディーの監督だったので、(ペパーミント…は苦手の映画)
かなりの覚悟で(笑)観に行きましたが、これは素晴らしい映画でした。

ムン・ソリは重い脳性麻痺の役。。。。あれほどまでにリアルな障害者演技は、
きっと彼女がダントツでは、ないでしょうか…
(予告編を観た時、実際に脳性麻痺の女性が演じていると思ったほど)

それに、ソル・ギョングは大人になれず不器用にしか生きられない男の役。。。
貧乏ゆすりをしたり、挙動不審(?)の演技は本当に見事です。
お二人の演技を観るだけでも、お金を払う価値があると思いました。


でも…この映画、考えさせられたなぁ…かなり重かった。
色々意見はあるけれど、私はまず沢山の方に観てもらいたい!
そして、考えて欲しい。 先入観や差別、偏見、常識…
自分を見つめ直すいい機会になるかも。

これは純粋な「ラブストーリー」だぁ〜



 
四肢麻痺の障害を持つ女性コンジュ(ムン・ソリ)と前科3犯の男ジョンドゥ(ソル・ギョング)



□■ ストーリー ■□


ひき逃げで男性を死なせてしまったジョンドゥが、刑期を終えた。
家へ帰るも、アパートには違う人が住んでいる。
途方にくれ、無銭飲食で警察に連行された彼を、弟が迎えにきた。
ジョンドゥは、被害者の家を訪ねるが、息子夫婦は脳性麻痺の妹コンジュを残し引っ越してしまう。
コンジュに興味を持ったジョンドゥは、花束を持って再び彼女を訪ねるが、
行き過ぎた行動からコンジュを失神させてしまった。
この日から、ジョンドゥとコンジュはデートを重ねるようになる。

前科者の男ジョンドゥと、脳性麻痺の女コンジュは、周囲の人の意識の外に生きている2人。
そんな2人が出会い、愛し合う。ひどく痛々しく、沁みるほど可憐なラブ・ストーリー。
2人の姿は、仲良くふざけあい、笑いあう恋人のそれと何ら変わらない。
それなのに、彼らの愛の純粋さは、障害や前科というフィルターを通じ、社会には届かない。
それでも2人は、今を懸命に生き、愛し合っていく。



 
出所したジュンドゥ



 
二人は普通の恋人たちとかわらない